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ほそかわ農園では農園の様子をつたえる「菜園たより」を隔週で発行しています。
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2005年12月14号
もっと楽しく農業を
今年は早々と雪が積もってしまった。畑の片づけとか、落ち葉集めとかもう少しやりたいこともあったのだが、こうなってはもう春になるまでお休みだ。
どうしてもっと早くやっておかないのか?まったくそのとおりなのだが…。本当に農業はお天気しだい、百姓の暮らしはその土地の気候風土次第だ。
さて、今ごろになると来年はどんな風にしようといろいろ考える。来年は、今でも十分楽しいのですが、より楽しく、気持ちよく農業したい。一言でいってしまえばこれだけだ。
どんなものでもその作物に合っていない季節に育てようとしたり、そもそも土地に合わないものを作ったりと、何か無理なことをしようとすると、健康に育たない。
そうなると家族に健康がすぐれない人がいるようなもので、いろいろ心配しなくてはならない。ちっとも楽しくないのだ。
畑で作物が野草のように、雑草のように元気に育っていれば、見ているだけで気持ちが良い。こっちまで元気になる。
また、例えばゴムアレルギーというのがあるが、これはゴムが、ゴムの木の幹にいく筋も傷をつけ、そこからしたたり落ちた樹液から作られるため、ゴムの木を傷つけストレスを与えることにより、
樹液中に生体防御たんぱく質が増える。それがアレルギーの元になるそううだ。健康に育った家畜の肉はおいしいというし、魚なども獲るときにストレスをを与えると、味が落ちるという。
野菜も健康に育つことが、まず何よりだと思うのだ。そして作物が健康であるためには、土が健康でなくてはならない。微生物からミミズまで様々な生き物が、元気に活動していて、
種々のミネラルがバランスよく含まれていなくては、野菜だってミネラル不足になってしまう。もちろん人間も…。
来年は田んぼをもう少し増やしたいし、もう少し上手に作ってみたい。欲張ってはいけないが、もう少し収量も上げたい。きのこを作って、みなさんにお届けしたい、ミツバチを飼ってみたい。
果樹を育てたい。野菜に関しては、おそらく一生かかっても学びつくせないだろう。やりたいことはたくさんあるが、楽しく、気持ちよく、無理のないように、
そしてじっと作物を見ていれば、まちがいないという気がする。
2005年12月13号
寒さに強い野菜
いよいよ寒くなってきた。いろんな野菜を次々収穫し、貯蔵し、畑のほうはすっかり寂しくなってきた。このあたりでは畑でそのまま冬を越すことのできる野菜は少ない。何せ寒いのだ。
ただ、ネギの仲間だけは苗のまま畑で冬を越す。タマネギは10月に苗を植える。今、エンピツより少し細いくらいで、ひょろりと立っている。何だかたよりない。
よくこんなものが冬を乗り越えると感心してしまう。マイナス15℃にはなるのだ。もっともこの辺はタマネギ栽培には寒すぎて適地とはいえない。
年によってはかなり枯れてなくなってしまうことがある。今年は暖冬との予報が出ているようだし、なんとか春までがんばってほしいのだが。
長ネギはタマネギより寒さに強い。しかし今年は、種まきの時なかなか雨が降らず、発芽が遅れたため、いつもより苗が小さめだ。大きすぎても春先トウが立つが、
小さすぎると寒さに負ける。根が浮きあがって枯れてしまうことがある。根元にモミガラを厚めにかけておく。何だか無責任みたいだが、あとは何とかがんばってもらうしかない。
ニンニクは寒くてもへっちゃらだ。9月にニンニクを手で割った一粒ずつを地面に埋める。いわば球根だ。今は15cmほど芽が出た状態だ。このまま冬を越す。
寒さにやられるのを見たことがない。ニンニク、タマネギは冬を乗り越えると、まだ寒いうちからめきめき大きくなり、6月には収穫を迎えることになる。
地面にぴったりとはりついて、ロゼット形になったホウレンソウ。
これで寒さ対策は準備OKだ。ただし、収穫作業はやりにくい。 |
2005年11月12号
楽しいお米づくり
米づくりは楽しい。春、田植えをする。はじめはゆっくりと、毎日少しずつ大きくなる。分けつし、次第に葉っぱが増える。そよそよと風になびき、梅雨時の雨にうたれる。やがて穂が出て一面黄金色になる。そして稲刈り。毎年同じことの繰り返しだが、稲の姿は不思議と見飽きない。どうしてだろう。そして目をこらせば、田んぼには様々な小さな生命がいっぱいだ。トンボ、カエル、チョウ、バッタ…ホタルもだいぶ増えてきた。田植え後、しばらくするとミジンコが大発生するのだが、何でもないミジンコでも、わらわらと水中で動くさまを、ついしゃがみこんでつくづくと見てしまうのはどうしてだろう。
それに何といってもお米は主食だ。秋、一年間食べる米を、土蔵に蓄えるという作業。これはやはり何か充実感がある。お米代なんてお金にすれば残念ながら大したことはないのだが、現物はずっしりと重いせいだろうか。「米と味噌さえあれば、生きてゆける」と本気で思う。
しかし、米作りは難しい。実は毎年なかなかうまくいかない。草は生えるわ、稲のできは悪いわとなると、もうがっかりだ。何せ米作りは一年に一回だ。だめならまた来年がんばるしかない。来年はこりずにもう少し田んぼを増やそうと思っている。どういうふうにしたらうまくゆくだろうか、とあれこれ考えるのもまあ、楽しいといえば楽しい。
近所にも自給的に米を作っている人がまだかなりいる。高齢の方が多い。口ではもうからないとか、大変だとか言っている。楽しいなんて決しておっしゃらない。確かに米作りといえば、昔から八十八の手間のかかる大変な労働ということになっている。けれどみんな本当にお元気で、足しげく田んぼに通っている様子を見ていると、やっぱりどうも楽しそうなのだ。
写真:たくあんの大根を干す
この時期、でーこを漬け込むのもすっかりわが家の恒例行事になった。あーもういよいよ冬が近い。八ヶ岳も白くなった。 |
2005年11月11号
種をとる
トマトはこぼれ種からもよく芽を出す。去年、何かの理由で収穫されずに地面に落ちたトマトから芽を出し、ビニールハウスのすみで、ひとりで勝手にすくすくと育つことがある。
そういうのに限って、ていねいに種まきして温床の中で大事に育てているものより、よほど元気そうなのはどうしてだろうか。かぼちゃもよくこぼれ種から芽を出す。
毎年、堆肥置き場の片すみから芽を出す。これはこぼれ種というか、台所の生ゴミとして捨てた種だ。こちらも放っておけば土手の上で元気いっぱいに勝手に育ち、秋にはちゃんと実をつける。
ただし、この実はおそらくいろいろ交配してしまっていて、どんなものがつくのかわからない。私の父母はこういうかぼちゃも「もったいない」と家に持って帰り、必ず食べる。
食べてみておいしければ、種をとってきれいに洗って乾かし、「おいしいから来年これをまけ」ともってきたりする。
今、種は大手種苗会社から購入するのがあたりまえになっているが、本来、百姓は自分でまく種は自分で取っていたのだろう。現在うちで種とりしているのは、米、麦などの穀物と、大豆、花豆などの豆類だ。
これらは、みんな収穫物そのものが種なので、これを来年そのまままけばよい。種とりは楽だ。一方、野菜の方は少し面倒だ。
種をとるには花を咲かせ、実をつけてもらわなくてはならないが、ナスやトマトなどの「実」を食べる果菜類以外は、花が咲いてしまっては困るのだ。春先、まだ寒いのに、欲張って早く種まきしすぎると、
大根やニンジンなどトウ立ちし、花をつけてしまうことがある。なるべく高く花をつけようというのか、ずいずいと茎を伸ばす。この茎の丈夫さには驚かされる。
葉っぱとはまったく違う材料でできているとしか思えない。根っこもかたくなり、こうなるともう食べることはできない。けれど種をつけ、なるべく多く子孫を残そうとすることは、
植物にとって本当は一番大切なことなのだろう。普段見ているのとはまったく違う姿に変わった野菜を見るとそう思う。種とりって面倒だけど、奥が深くて面白そうなのだ。
野菜の地方品種を集めた本を見ると、大根なら赤いのあり、緑色のあり、葉っぱの形もさまざま、日本一の激辛なんてのもある。
数十キロの大きさになるものもあるし、どれよりかたいのが特長というのもある。本当にその多様性はおどろくばかりだ。
多様であるということは、一方で効率が悪いということでもある。しかし、その地方独特の食べ方、郷土料理とともに、毎年種をとって保存し、大切に育てられてきた野菜はどれも美しく、
そしておいしそうなのだ。
写真:掘りたてのしょうが
しょうがの茎を引っ張れば、簡単にすぽっと抜ける。茎の根元がとてもきれいなピンク色をしている。 |
2005年10月10号
「もったいない」は農業のキーワード?
10月にはいると、もはや畑に種まきするものはない。あ、「ライ麦」というのがある。これはライ麦を食べるためのものではなく、越冬緑肥としてまくものだ。ライ麦は緑肥として使う作物の中で、最も寒さに強い。寒さに耐えて少しずつ育ち、冬から春先の弱い太陽の光を、緑の葉っぱや根っことして有機物にかえてくれる。太陽の光をムダなく肥料にかえてくれるのだ。それから根っこが土をフカフカしっとりにしてくれるし(団粒化といいます)、土中の微生物のエサになったりして生物性を豊かにしてくれる。また冬の強い北風で、表土が吹き飛ばされるのを防いでくれる。畑が裸になっているとかなりの量の土が飛ばされてしまうらしい。おまけにライ麦やエン麦はアレロパシーという作用が強く、次作の雑草をかなり抑えてくれるのだ。ほんとにいいことばかりだ。
つねづね「もったいない」、あるいは「けち」という言葉は、農業のキーワードだと思っている。自分で作った食べ物は大切にいただくようになる。「ご飯はひとつぶなしに食えよう」というばあちゃんのコトバをよく思い出す。また野菜くずや残さも堆肥となり、すべてまた土にかえってゆく。そしてこの「もったいない病」は、なぜか次第に進行してゆく。なるべくムダなエネルギーや、物や、ついでにお金も使わないようにと、農業を続けるほど、何だかより「けち」になってゆくようなのだ。とにかく、冬にまわりが全部土色の中で、うちの畑だけ元気に緑色をしているのを見る
と、得してる!というか気持ちよいのだ。
さて、このライ麦の種まきも終わると、本当にもう畑に種まきするものはない。春先から半年間、天気を気にしながらひっきりなしに何かの種まきをしているので、種まきがなくなるとだいぶほっとするし、少しさみしい気もする。頭の中にはもう来年の計画があれこれ浮かんでくる。
写真:にんじんの花
雨の中、にんじんの収穫をしていると、いろんな虫が雨やどりをしていた。赤トンボ、シジミチョウ、ハナムグリ、カマキリ、シャクトリムシ…どれも逃げようとしない。季節を間違えて咲いてしまったにんじんの花もきれいだ。 |
2005年10月9号
秋の野菜
今、ブロッコリーが畑にたくさんできて(咲いて?)います。長い間収穫できるように、時期をずらして種まきしたのに、どういうわけか一気にできてしまったのです。
無農薬のブロッコリーは貴重なので、たくさんお召し上がりください。
ブロッコリーというのは、見てのとうり花のつぼみです。そのまま畑においておけば、黄色い花が咲きます。切り花は鮮度を保つのが大変なようですが、ブロッコリーも花なのでやはり大変です。
花芽の部分は変化しやすいのです。これから寒くなってくれば大丈夫なのですが、まだ暖かいうちは、ちゃんと届いているか心配です。
スーパーでアメリカ産のブロッコリーが安く売られていますが、どうやって鮮度を保っているのかいつも不思議に思います。
それから、ブロッコリーは「アブラナ科」の野菜です。アブラナ科の仲間はキャベツ、カブ、大根、コマツナ、チンゲンサイ、水菜、カリフラワーなどたくさんあります。
どれも虫に好まれる野菜ですが、とりわけキャベツ、ブロッコリー、白菜などは、青虫やヨトウ虫、コナガなどの大好物です。
箱詰めする前にブロッコリーの中の方や、キャベツの外葉をはがしながら、虫がいないか念入りにチェックしています。
秋はまだ虫が少なくてよいのですが、6月のものはすさまじく、穴だらけのキャベツにうんざりするほどです。
無農薬なので仕方がないとはいえ、もう少し何とか虫対策を考えなければなりません。私たちは馴れているので虫を素手でつまむことなど平気ですが、
届いた野菜の中に入っていたりすると、さぞかし不快な思いをされているに違いありません。それでも、うちの野菜を取りつづけていただいている皆さんには頭の下がる思いがします。
今、茎ブロッコリーというのをお届けしています。菜の花のような形をした茎の長いブロッコリーです。これは中国野菜のカイランという野菜とブロッコリーを高配して生まれたものだそうです。
形状から虫がまぎれ込みにくいのがよいところです。また普通のブロッコリーより甘みと歯ごたえがあります。いかがでしょうか。
写真:稲刈り
10月1日、家族総出で稲刈りをした。メカ好きの息子は、バインダーを運転できて得意顔(もちろんターンはできない)。
このあと、稲をはぜ棒にかけて乾燥させる。 |
2005年9月8号
趣味の雑穀作り
いろんな雑穀や麦類を作るのは私の趣味かもしれません。なぜだか種々の穀物を作ることが面白いのです。
なおかつ、麦や雑穀など栽培してもちっともお金にはなりません。というより金銭的にはむしろマイナス。どんなものでも栽培する以上、
多少とも世話をしてあげなくてはならないのですが、そんなものを作っているヒマがあるなら、他の野菜の作付けを増やせばもっとお金になるはずです。
面白くてお金にはならない…こういうのは趣味ですよね?
しかし、いいわけも一応あります。野菜だけ作っていても土が良くならないのです。なぜか換金性の高いものほど、地力を消耗し、地力増進の効果が高い作物ほどお金にはなりません。
イネ科→マメ科→他の野菜というふうに畑が回っていけば理想です。なかなかそこまでの余裕もないですが、ムギ類の2作くらい後は、畑がよくなったなと実感できるのです。
さて、穀物は作るのはよいとしても、収穫、乾燥、脱穀、精製、製粉と食べるまでにいろいろ手間がかかります。専用の機械がないとできないことも多いのです。
今年大麦を作ってみようと思ったのも、宮田村の山浦製粉所という、小さな昔ながらの工場で精麦、押し麦加工してもらえると教えてもらったからです。
昔はどの村にもあったであろう、こういう小さな製粉所は今ではすっかり貴重なものになってしまいました。雑穀や大麦など、今では作る人がほとんどいないのですから、
当然といえば当然なのでしょう。でも、そんな小さな製粉所があって、それを利用する小さな農家がたくさんある、そんな風景のほうが私には豊なものに思えるのです。
| 写真:サツマイモ
何歳になっても、恥ずかしながらイモほりは楽しい。土からひき抜いたばかりのサツ
マイモは、サツマイモ色!と言いたくなるような鮮やかな色をしている。 |
2005年8月7号
秋の野菜
9月の始めはまだ夏ですが、9月の終わりごろはもうすっかり秋ですね。畑の野菜もちょうど夏から秋へと移り変わってゆく時期だ。
夏のあいだ、もいでももいでも次々に赤くなって、収穫が追いつかないほどだったトマト。
ペースが次第にゆっくりになる。いくら待っても赤くならない。どんどん遅くなり、最後には、とうとうもう赤くなれない青いままのトマトが残ってしまう。
青トマトのピクルスを少し作り、ビンに詰めれば、これで今年のトマトもおしまいということになる。たくさん食べました。
「秋ナスは嫁に食わすな」なんて言います。おいしいから食べさせないという意味と、体を冷やすので食べさせてはいけない、
とふたつの説があるらしいのですが、はたして秋ナスっておいしいんでしょうか。確かに朝晩涼しくなってくると、実がしまっておいしくなるような気もする。
けれどこれは、だんだんかたくなってしまうということでもある。やはり何でも出盛りの旬が最もおいしい気がします。
ただこれが最後、また来年までおしまいという時は、またふだんよりちょっとだけおいしく感じるような気もする。「終わり初物」という言葉もあるそうだ。
今、赤と黄色の小さいパプリカをお届けしています。これは植物的にはピーマンと同じ種類で、最初は普通のピーマンと同じように緑色をしている。
7月についた“実”がひと月以上かかって、やっと今ごろ赤や黄色に色づいてくる。いわばピーマンが熟したものだ。
甘酸っぱい独特の味は好みがあるかもしれませんが、これを食べると、ひと夏ぶん太陽の光がぎっしり詰まっているような気がする。
今の時期だけ取れる野菜の一つだ。
秋野菜の本番はもうしばらく先になりますが、最初は間引き菜やコマツナなど菜っぱ類ができてくる。ネギもボチボチお届けします。
秋の野菜は夏のものとは違い、ゆっくりと育ったほうがおいしくなる。ですから、これから寒くなるにつれてより甘く、おいしくなってゆきます。
それから秋といえば“おいも”だ。今年はイモ類は豊作のようだ。カボチャやサツマイモは、収穫したばかりはホクホクしているが甘みは少ない。
しばらく貯蔵していると、ぐっと甘くなってくる。さて、そろそろサツマイモも掘り初めてもよいし、ジャガイモもまだ3分の1しか収穫していない。
昭和40年代生まれの耕運機と一緒にしばらくはせっせとイモ堀の日々だ。
| 写真:ナガコガネグモ
秋になると田んぼや畑でよく出会う。先日(クモから見れば)巨大なコガネムシを捕まえるのを目撃。
糸でぐるぐる巻きにすると、さっそくかみついた。ガブッと音がした(ような気がした)。 |
2005年8月6号
草と一緒に野菜を育てる
トマトとキュウリの畑は、春、苗を植えるのと同時にうね間(通路)に牧草(えん麦と赤クローバー)の種をまきつける。やがてトマトやキュウリが大きくなってくる。
牧草も伸びてくる。ついでにまいてはいない草まで芽を出し、スクスクと伸びてくる。しばらくしてから通路の草を草刈機で刈り倒す。刈った直後は芝生のようでなかなかきれいだ。
牧草と草はすぐまた伸びてくるので、定期的に刈り込みながらトマトやキュウリを収穫してゆく。こういうやり方を草生(そうせい)栽培といいます。
キュウリはアブラムシがつきやすく、またアブラムシに弱い。以前は木酢液をかけたり、大さわぎしていたのだか、草生をするようになってからアブラムシが出にくくなった。
たまに少しばかり出ても、なぜか増えてゆかない。そのうちいつのまにかきえてしまう。不思議だ。見ていると、はだかの土より草が生えている所の方が確かに虫やカエルが多い。
天敵も多いということでしょうか。また、キュウリだけ植えてあるより、生えている植物の種類が多い方が、畑の環境が安定するようだ。とはいえ、まめに草刈をしないとたちまちジャングルのようになってしまうのです。
そのトマト、キュウリの収穫もピークを過ぎ、お盆(旧盆)を過ぎると、急に寂しくなる。昼の日差しはまだまだ強く照りつける。けれど、朝夕は何だか妙に空気がすんでいるような気がしてくる。
雲の形も心なしか真夏とは違う。あるいは単に気温が1〜2度下がったことを、むしろ体のほうが正確に感知するのだろうか。とにかく、何やら少し秋のけはいだ。
今、秋冬ものの種まき時期だ。ファッション業界ではないけれど、秋冬ものの仕込みは夏にやっておかなければならない。6月にキャベツ、7月にブロッコリー、8月に白菜、大根をまいて、
あとは今から9月下旬までホウレンソウや小松菜などの葉物の種まきだ。秋が深まり、寒くなってくると、野菜の生長は日に日にゆっくりになってくる。
今まいた小松菜は1ヶ月もしないで収穫になる。一番最後にまいたものは大きくなるのに、その倍近くかかってしまう。これをバッチリ計算して種まきしているはず…なのですが、なかなかスムーズにいかないことも多い。
一度あいだがあいてしまうと、待っても待っても大きくなってくれないのです。今年はうまくゆくとよいのですが…。
夏野菜もにぎやかでよいのですが、そろそろ間引き菜のおひたしでも食べたくなってきました。
| 写真:カマキリ
トマトのうね間の草生もついつい手が回らず、草ぼうぼうに。でもここは虫の天国だ。今朝は脱皮したばかりのカマキリと眼が合った。 |
2005年7月5号
お隣のすごいおじいさん
毎年のことながら、夏ってこんなに暑かったっけ?と思ってしまう。畑の草取りなどしているとたちまち汗びっしょりだ。「上農は、草を見ずして草を取る」なんていいますが、草取りも適期にきちんとやりさえすれば何の問題もない。畑中きれいにして、ついでに土手草も刈ってやれば、さっぱりしていい気分だ。だが、どういうわけかなかなかこうはいかない。どこかでひとつつまずき、適期を逃がすと、みるみる畑は草だらけになる。本当にあっという間だ。こうなると何倍もの時間をかけて、畑中はいずりまわるはめになる。まあ、汗をかいて身体を動かせば健康にもよい、と言うことにしておきたいと思いますが…。
今日は隣の吉一さんが、ホークを使って耕運機の荷台に堆肥を積み込み、運んでゆきました。百姓ひとすじ、お年は確かもう90歳に近いはずだ。田んぼも作っていて、スーパーカブに乗って水の様子も見に行く。トラクターに乗って畑を耕しにゆく。梅の木に登って梅をもぐ。あれやこれやいつも体を動かしている。夏バテしないんでしょうか。ちょうどうちの家の窓から見える彼の自家用の畑は、いろんなものが少しずつきれいに植えられている。トウモロコシが何回も食べられるよう、数本ずつ階段状に植わっている。漬けウリも植えてあるようだが、ご自分で奈良漬けを作るのだろうか。人間先のことはわからないが、吉一さんを見ていると日々体を動かすことって、どんな保険に入るより確かなことに思えてしまいます。
| 写真:ヤマトイモ
今、生け垣のようにしげっています。収穫はこのつるが枯れてから。小さめでも形の良いイモがとれてほしいのですが、掘ってみないとわかりません
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2005年7月4号
犯人は誰だ?
今年もまたモロコシ畑にタヌキがやってきた。朝、キュウリを取りに畑に行くと、隣に植えてあるトウモロコシが2、3本倒れている。もしかしてと思い、近づいてみるとやっぱりそうだ。ガリガリとかじったあとがあり、半分ほど皮をむかれたモロコシが転がっている。見ると中の粒はまだ小さくて真っ白だ。「おいおい、まだ早いよー」タヌキも皮をむいただけで一口もかじっていない。一目見てまだ早いと判断したものらしい。毎年、そろそろ取れるかな、と思っていると、ひとあし早くためし取りしてくれるので、収穫時期の目安にはなるのですが…。
ところで、タヌキ、タヌキと決めつけているが、実際にタヌキがモロコシをもぎ取っている現場を目撃したことはない。それでは証拠不十分ではないか、と言われればまったくそのとおりだ。もしかするとハクビシンかもしれない。何年か前に隣の家の柿の木に登って柿を食べているのを目撃したことがある。白黒まだらの特徴あるお顔なので間違いない。彼らは木のぼりがたいへん得意で甘いものに目がない。あるいはアナグマかもしれない。何年か前に、かなりジャガイモを掘られたことがある。こちらはやはり目撃証拠はないのだが、アナグマというだけあってたいへん上手に、かつパワフルにイモほりをしてくれた。去年はシカにだいぶ食べられたのだが、シカの食べ方は違う。まだ指くらいの太さの、ヤングコーン状態のものを歩きながらパクパク食べてしまう。何せ体は大きくて食べる量は多い。これが一番まいってしまう。それに比べれば毎日少しずつ大きくなるモロコシを、食べごろになるまでじっと待っているタヌキなんて、かわいいものだ。つい待ちきれずにちょっとだけかじってみた気持ちもわからなくはない。とはいえ、食べ始めるとほとんど毎日数本ずつ食べに来る。家族そろってこられると、一日あたりかなりの必要量になる。これも数年前の話ですが、トウモロコシの収穫がすっかり終わって片づけをしているとき、畑のまんなかに「穴」を発見したことがある。深さ30cm長さ1mほどのりっぱな横穴で、タヌキか何かが作ったらしい。昼間はここでお休みして、夜はひたすらトウモロコシを食べて、ひと夏過ごしていたらしいのだ。
毎年今ごろは何やら忙しく、なかなか手が回らないのだが、今年は少し余裕があるようなので、タヌキには悪いけれど、もろこし畑にネットをはろうかなと思っています。動物もみんな大好きなトウモロコシがもうじき取れます。
| 写真:タヌキ
去年の暮れ、家の縁側に出没した。普通は昼間、あらわれないが、皮膚病をわずらって弱っていたせいだろう。
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2005年7月3号
肥料のこと
ほそかわ農園で使っている肥料は牛ふん堆肥、カキガラ、ボカシ肥の3種類です。堆肥は作物にあげるというより、フカフカで微生物いっぱい、元気いっぱいの土にするために「土」にあげるというかんじです。カキガラは名前のとおり、カキの貝殻の粉末です。以前は石灰を使用していたのですが、そのかわりに使っています。ホウレンソウ、トマトなど石灰分を特に必要とする作物にまいてあげます。
作物にまく、いわゆる「肥料」は3年ほど前からすべて自家製ボカシ肥にしています。ボカシというのは有機質肥料を発酵させたものです。原材料は米ぬかが全体の2/3、ナタネ油の絞ったあとの油カスが1/3、魚カスとカニのこうらの粉末が少々(1/10〜1/20くらい)、あとはモミガラです。これらの材料を混ぜ合わせ、水をかけると、今の時期なら数日でたちまち温度が上がってきます。発酵熱で60℃くらいになるのです。そしてなにやら甘酸っぱい、いい匂いがプーンとただよいます。酵素風呂ではありませんが、入ったら気持ちよさそうです。春先、まだ寒いころノラ猫が上に乗って温まっていたこともありました。1日1回まんのうぐわやスコップで切り返し、混ぜます。最初は水分が多く、ずっしりと重いのですが、次第にサラサラになり、温度も下がってきます。これででき上がりです。現在はこういう肥料を500〜600kgずつ年に4回作って使っています。ボカシをあげると虫の出かたは安定するし、野菜も甘くおいしくなるような気がします。とはいえ、たとえどんな肥料を使ったとしても、人間の思いどおりに野菜に味付けすることはとうていできません。
「トマトを作る、ジャガイモを作る」という言い方をついしてしまいますが、本当はトマトやジャガイモが自分で育った、と言うほうが正確ですね。でも、だからこそ
野菜っておいしく、慈味なのでしょう。
| 写真:キュウリの花
ウリ科のカボチャ、ズッキーニ、キュウリなどは、雄花と雌花がある。雌花にはもう小さなキュウリがついている。
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2005年6月
2号
害虫と益虫
梅雨入りしたというのに、よいお天気が続いています。雨ばかりの梅雨も仕事ははかどらないし、いろいろ不都合なことがあるのですが、農業にとってより本質的には雨が降ってくれない方が困るのだな、と思いしらされています。もうこの先どんなに大雨が降ろうと決してお天気に文句はいいませんから…。
「降れば病気、照れば虫」なんて言い方があります。雨の多いときは作物に病気が多く、日照りが続くと虫が多く発生すると言う意味です。どっちにころんでもいいことのない、みもフタもない言い方ですが、基本的にはこのとおりです。今年は今のところ日照り年なのでうちの畑にもアブラムシ、それからキャベツやブロッコリーが大好きなアオムシ、コナガの幼虫、ヨトウムシなどの害虫がやや多いようです。
虫を害虫、益虫と分けるのは、まことに人間の勝手とは思うのですが、畑や田んぼではどうしても植物を食べる、ベジタリアンの虫が害虫、他の虫を食べる肉食の虫が益虫(天敵)となってしまうのです。虫を観察することによる減農薬運をはじめた宇根豊さんによると、害虫、益虫の他に「ただの虫」というのがいるそうです。例えば、田んぼには600種くらいの虫が住んでいるそうですが、害虫あるいは益虫とよばれているのはその10パーセント以下で、後は直接作物に害もしなければ、益もない、人間から見ればいわゆるただの虫だそうです。しかし、このただの虫が益虫のエサになったり、有機物を分解したり、自然のサイクルの中で目には見えなくても大きな役割を持っている、というお話でした。今、「絶滅危惧種」などとよばれる生物が確実に増えているようですが、おそらく生物の種類が多ければ多いほど、人知の及ばないバランスにより、環境は安定するのでしょう。
畑の上空を自在に乱舞して虫を捕まえているツバメの群れ。思わず見とれながら歩いていると、大きなシマヘビとばったり鉢合わせする。田んぼのあぜには、今しっぽが取れたばかりの小さなカエルが無数にはねまわっている(ヤマアカガエルか?)。
水中に目をこらせば、そこには小さな生き物が満ちあふれている。多くの生き物に囲まれているという感覚…それは一種の幸福感です。
| イネとウキクサ
次第に増え、ついに全面ウキクサにおおわれた田んぼ。光をさえぎり、水温が上がらないと嫌われるのだが、逆にそのことにより雑草を抑えたり、また水を浄化する働きもあるという。
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2005年6月
1号
農業は楽しい!
ごぶさたいたしました。半年ぶりですね。久しぶりすぎて何だか照れくさいです。
やっと野菜のお届け開始となりました。本当はもう少し早くお届けしたかったのですが、このところやや気温が低かったせいか、野菜も今のところゆっくりとそだっているようです。今年はどんな天候になるのやら、そればかりは誰にもわかりませんが、今年もうちの野菜をどうぞよろしくお願いします。
さて、ほそかわ農園は今年で10年目のシーズンになります。10年やってみてあらためて思うこと、それは「農業は楽しい!」ということ。体を動かし、作物を育て、そして育ってゆくのをながめ、収穫し、いただく…。毎年同じことの繰り返しですが、なぜかちっともあきません。かなりおめでたい人間のようです。そして、うちの野菜が食べたいという方に食べていただけるのはありがたいことです。自分がおいしいと思うものをおいしいと思ってもらえる…有機野菜を作り続ける、ささやかなこだわりをわかってもらえる人に出会う、これはとっても幸せなことです。
また同時に農業の奥深さも感じます。トラクターで草一本ないようきれいに耕し、そこで何か一種類だけ作物を育てるというのは、自然からみればとても不安定な状態です。自然にまかせて放っておけば、安定はしても畑にはならない。そのバランスが難しい。植物を相手に思うようにコントロールするのは、本当に難しいです。
今年新しく作っている作物。だいぶ前にキビを作っていたことがありました。今年また雑穀を作ってみたくなり、キビとアワの種をまきました。アワを作るのは初めてなので、どんなものか楽しみです。緑色の大豆、いわゆる「ひたし豆」も少しまきました。それから「高山インゲン」と言う白いインゲン豆、煮豆にするとネットリとしておいしいのですが、これを皆さんに食べていただこうと思い、たくさんまきました。また、ミニトマトを減らして、ミディアムトマトというのを育てています。ゴルフボールくらいのトマトでおいしいそうです。どんなのができるでしょうか。「万願寺甘とう(京野菜でシシトウの大きいの)」もまた作っています。それからパプリカは以前作っていた小さい品種に戻し、赤いのと黄色いのを作っています。ゴボウはここのところもう何年もうまくできたためしがなかったのですが、今年は耕土が深くうまくゆきそうな畑を借りることができたので、種をまきました。太くて柔らかい「下仁田ネギ」も植えました。他にも好奇心にかられて試作しているものが、実はいろいろあります。そしてさらに気持ちのよい季節のせいでしょうか。どこかに出かけるたびに花の苗や種、果樹の苗など、ついつい買い込んでしまい、いったいどこに植えようかと草だらけの庭をながめるこのごろです。
写真:大麦の穂
伊那谷の方に少量の大麦でも押し麦にしてくれる小さい製粉所があると教えてもらい、今年初めて作ってみました。かなり大量に取れそうなのですが、他にはどんな利用法があるのだろうか?
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