ほそかわ農園では農園の様子をつたえる「菜園たより」を隔週で発行しています。

2003年2004年2005年度版最新

2002年12月 12号
冬の菜っ葉                              
いよいよ寒くなってきました。朝、温度計を見るとマイナス5、6度になっています。まだ雪にはなりませんが、一面真っ白な霜です。ほうれん草やターサイがぺったりと地面にはりついて寒さに耐えています。特にターサイはまるで座布団のよう。初めて見た方は、これは何?とビックリされるのではないでしょうか。夏にターサイを作ると、まったく違う小松菜のような立った形になります。同じタネからできたものとは思えません。味と栄養はもちろん、冬のほうが上。ターサイ、小松菜、ほうれん草などの菜っ葉は寒さにあたってこその野菜です。今年の菜園たよりは今回でおしまいです。今年も一年ありがとうございました。

 

2002年12月 13号
干し柿作り
 
うちの庭には渋柿の木が6本あリます。ずっと昔、ばあちゃんが植えたものだそうです。20キロ入りのコンテナに4,5ケースから多い年には10ケース近くも取れます。一部はへたを焼酎にひたして渋抜きして食べ、残りは、毎年11月上旬に干し柿作りをします。柿の実をもぎ、皮をむき、ひもでつないで軒先につるす。量が多いだけに、結構手間がかかりますが、軒は一面干し柿のすだれ状でなかなかみごとなものです。こうして作った干し柿は、12月半ばくらいから食べられるようになり、冬中の我が家のおやつになります。市販のものよりかたいけれど、凝縮された柿の甘みが何ともおいしく、子供も大喜びでほおばります。

干し柿作りのように、うちではお金にならない趣味的な仕事が結構たくさんあります。別の機会に紹介したいと思いますが、梅干し、たくあん、野沢菜漬け、干しいも、切干大根、味噌、どぶろく、自家用の果物、きのこ作りなどなど。収入は少ないけれど、何でも自分で作り、できるだけお金を使わない時自給自足的暮らしをしています。と言いたいところですが、買いたいものはいろいろあるし、もっと現金収入を増やさなければいけないのが現実です。

 

2002年11月 12号
小麦の話                              
我が家はみんな小麦が好きです。1日1回はめん類が食べたい。長いものなら何でも大好き。しかも別腹。パン、お好み焼き、お焼きも大好き。手打ちで作るほうとうは、寒い冬には欠かせない料理です。

食べるだけではなく、青々とした小麦の穂が風になびいているのを見るのはとてもきれいで、作るのも楽しい。このあたりでは、小麦の種は9月中旬から10月半ばくらいにまきます。10センチくらいに伸びた小麦はそのまま冬を越します。春になってから真っ先に青々と伸びだし、7月の1週目か2週目に収穫になります。収穫時期がちょうど梅雨どきで、しかも他の畑仕事が忙しい時期なので大変だったのですが、今年から中古のコンバイン(脱穀機)を安く手に入れることができ、収穫が楽になりました。

ところで、日本のコムギは90%が輸入。そして、世界で最もパン作りに適したコムギの一番品質の良いものだけをカナダとアメリカから輸入しています。めん用にはオーストラリアから最もめんに適したコムギをもってきているそうです。これらが私たちがよく食べているうどんやパンになるのです。国産小麦でパンを焼いたことのある方にはその違いがよくわかると思いますが、売っているパンってコマーシャルではありませんがフカフカ、しっとり、もっちり…。でも、日本の小麦も味わい深く、本当はおいしいんですよ。ヨーロッパの国々のそれぞれの地方に、その土地の麦を使った様々なパンがあるように、日本にも日本のムギを使ったものがあればよいなと思うのですが。

 

2002年10月 11号
これからの仕事                              
ぼつぼつ薪ストーブを焚き始めました。このところ暖かい日が続き、このあたりでも10月20日を過ぎて、まだ初霜が降りていません。といっているうち、すぐにガツンと来るはずですが…。畑仕事もようやく一段落といったところです。仕事がはかどったというのではなく、寒さで雑草の生長が止まり、来年まで草取りおよび草刈り作業をしなくてもよくなったというわけです。ただし、草ボーボーにしてしまった畑は、また来年こぼれた種から何百倍にもなって草が生えてきます。

これからする仕事としては、今は秋野菜の一番おいしい時なので、皆さんにたっぷりとお届けするということ。また、近日中にタマネギの苗を定植するのですが、それが終われば今年の種まきや定植はすべて終わりです。あとは畑を順に片づけて、堆肥をまいたり、えん麦やライ麦などの緑肥作物をまいておきます。そして大豆やエゴマの収穫。ネギや大根、白菜、大カブなども、本当に寒くなる前に収穫してかこいます。
そういえば、今年はこの辺一帯イノシシに荒らされて、近所のおばあさんもせっかく作ったジャガイモとカボチャを大部分食われてしまったそうです。ジャガイモ30キロくらい、カボチャ30個くらい分けてほしいと頼まれました。この時代、どんな田舎でもスーパーに行けば、いつでも新鮮なものが安く手に入ります。何もそんな大量に家に蓄えなくてもよいのではと思うのですが、長年きびしい冬を乗り越えてきた人の習慣というか、ほとんど本能のような、そんな気持ちが最近は何だかとてもよくわかる気がするのです。

話がそれましたが、あとはハウスや倉庫を建てたりの大工仕事。来年の床土作り、たくあんや野沢菜をつけたり…と、もうしばらくは何やら農作業の日々です。

 

 

2002年10月 10号
秋冬野菜の言いわけ

今年の秋冬野菜は不作です。ほそかわ農園として野菜を作り始めて今年で7年目になるのですが、最もできが悪い。 がっかりです。けれどもこれは天候のせいではありません。管理不十分。手が回らず。自分のせいです。
キャベツは苗を畑に植えるのが遅れました。10日くらい遅れてしまったでしょうか。もういけません。 ケールのように葉っぱが広がったままで、青々としてとっても元気そうなのですが、丸く結球してくれないのです。 カブや大根、白菜も遅れそうです。それから長ネギ。長ネギは草に弱い。トウモロコシなんかは草には強く、 背が高くなるし肥料をすう力も強く、草だらけにしておいても、雑草に負けじとぐんぐん大きくなり、けっこう収穫できる。 大豆やジャガイモなんかも、最初何回か草取りをしてあげれば、次第に葉がしげってきて光をさえぎり、 ある程度大きくなればもう草は生えてこない。ところがネギはいくら大きくなっても、あのとおり棒のような姿なので、 最後まで草に勝つということがないのです。そして日照りには強いかわりに雨はキライなので、 草だらけの中に放っておくとヒョロヒョロになり、次には溶けてなくなってしまう。本当に今年はいけませんでした。

近所の百姓のとしょーり(ご老人)が何げなく、かつゆっくりと、しかし確実に 行っている作業のすべてがひとつの技術なのだとあらためて思うこのごろです。




2002年9月 9号
カボチャごろごろ

○ 今年は8月の少雨がたたって、秋の葉物は今ひとつです。そのかわりというか、 カボチャが例年になく豊作で、軽トラック3台分も収穫できました。
前にたよりで紹介した「へそカボチャ」もたくさん取れたのですが、 残念ながら「へそ」の盛り上がり度が今ひとつ、小さな出べそカボチャといったところです。
味の方は去年食べたのに比べると、甘みはあるけれどホクホク感が強く、 煮物にはもう少し粘質のほうが良いようです。きっと去年とっておいた種の時点で、 すでに他の品種と交雑していたのでしょう。

去年、たよりで遺伝子組み替えトウモロコシの話をしましたね。 今年は遺伝子組み替えの心配のないトウモロコシの種を少量ずつ分けてもらい、 試しに作ってみました。ひとつは「20年前のスイートコーン」といわれるもので、 今のものより甘みは落ちるが、まずまず食べられるものでした。
もうひとつは「もちモロコシ」といわれるもので、甘みは少なく、 歯にねちゃねちゃくっつく感じではっきり言っておいしくない。 では、甘みを多少我慢しても「20年前のスイートコーン」なら絶対に安全かというと、 必ずしもそうではないのです。
遺伝子組み替え問題の恐ろしいところは、 数百メートル離れたところでも飼料用のトウモロコシを作っている畑があれば交雑する可能性があり、 それは防ぎようがないのです。本当に困ったことになりました。とりあえず、 最新の情報に耳を傾けつつ、より良い方向を手探りしているというのが現状です。


2002年9月 8号
畑もったいないトマト

トマトは出荷できないキズものが出やすい野菜です。えき病やウイルス病といっ た病気にかかりやすいし、雨が降ると皮がはじけて、すぐひび割れができてしまう。 また、ヨトウムシやタバコガなどのイモムシにねらわれやすい。ナスやピーマンなど はあまり食われないのに。生で食べるにはやはりトマトのほうがおいしいのだろう か。
そういうわけで、皆さんに野菜をお届けするごとに、くずトマトがドサッと残っ てしまう。もったいないので、保存用のトマトピューレのほか、ラタトウュ、ミネス トローネ、スパゲティー、ピザ…あらゆるトマト料理を作りました。でも何といって も、そのまま切って大きなお皿にドカンとのせていただくのがおいしい!毎日毎日… 飽きもせず。もう来年の夏まで心残りはないです。
旬の野菜をいただくというのは、 本当に“ばっかり食”なんですね。でも1年を通して栄養のバランスが取れているの だと思います。

田んぼが黄色くなりました。ああ、夏が終わってゆく。





2002年8月 7号
畑にみずやり

先日ハクサイの苗を植えた。雨が降ってちょうどよく畑がしめったので植えたの ですが、そのあとお天気が続き、すっかりしおれてしまい、なんだか枯れそうになっ てきたので、急いで水をかけました。
川の水を300リットル入りのタンクにくんで、 軽トラックで畑まで運び、エンジンポンプに50mのホースをつないで1株づつ水をか けてやるのです。それほど大変なわけでもないのですが、「ちょっと雨さえ降ってく れたら、こんなことしなくてもいいのに…」と思いながらやるせいでしょうか。なん だかとてもめんどうくさく感じる作業です。
とはいえそんなに都合よく雨が降ってく れるはずもないし、ハクサイが枯れてしまったら大変だ。春に種まきするものは、も し失敗して芽が出なかったりしてもすぐにまき直せば数日の遅れですみます。食べら れる期間が長くなるように、わざわざ種まきをずらしたものが追いついてしまい、同 時にできてしまうこともあるくらいです。
でもこれから秋冬にかけては、日も短くな り、寒くなってゆくばかり。作物の生長もゆっくりになってゆくので、種まきだけは 遅れないように気をつけなくてはいけません。まき直しということはできないので す。

9月にはいると前半は夏野菜が中心ですが、後半はだんだんに葉物類などの秋野菜 がでてきます。涼しくなってくると急に、菜っ葉や小カブが食べたくなってくるのが 不思議です。


2002年8月 6号
巨大きゅうり

夏の畑仕事といえば、いろんな実物の収穫です。キュウリ、ズッキーニ、ナス、 ピーマン、トマト、いんげん…。なるべく涼しい時に取ったほうがよいので、朝起き るとまず収穫だ。特にキュウリとズッキーニは毎日取らないと大きくなりすぎてしま う。なかに、ほんの少し小さくて、取ろうかどうしようかと迷うのがあります。次の 日になるともう大きすぎ。皆さんにお届けするキュウリも時々ちょっと大きなのが 入っていると思います。葉っぱの陰になっていたりして、うっかり見落としてしまう と、それは立派な姿になります。毎年必ずヘチマのようなのが発見されます。

雑草の伸びる早さにも、毎年のことですが驚かされます。今年はこのあたりでも できると聞いて、落花生を1列植えてみたのですが、草取りを後回しにしているうち に草におおわれてしまい、収穫は断念。草刈機で刈ってしまいました。ポップコーン も草だらけで収穫は無理みたい。長ネギも見事に草にやられてヒョロヒョロ…。でも これはあきらめるわけにはいかないので、今草取り中です。今年のネギはどうなるの でしょうか。農業は雑草との闘い。つい欲張ってあれこれ植えてしまうのですが、人 手不足(農作業はほとんど一人でやっている)で、あとで悲しい思いをするはめに なってしまいます。

まだまだ暑いですが、立秋を過ぎると空はもう秋のような雲が浮かんでいます。 夏ももう少しですね。


2002年8月 5号
ちょうちょはどこへ?

ブットレアという花をご存知でしょうか。 紫や白色の美しい房状の花が上向きに咲く低木ですが、別名“ちょうのマタタビ”とも言われます。 子供のころはまさにその名のとおり、あらゆるちょうが群がって飛び回り、みつを吸っていたむせ返るような光景をよく覚えています。 クジャクチョウ、ヒョウモンチョウ、アカタテハ、キタテハ、キベリタテハ、それからアゲハの仲間。 今も庭にはあのころと同じ場所にブットレアが咲いていますが、ちょうは一匹、また一匹と飛んでくるだけ。 めっきり少なくなりました。そしてまた、小学校への行きかえり、秋になると道ばたや土手に、 ガードレールにびっしりととまっていたトンボは…ほうきではたき落としたホタルは…めだかは…いったいどこへいってしまったのでしょうか?

様々な環境ホルモンや化学物質の影響でしょうか。それとも気候の変化のせいでしょうか。 私の子供のころというと、もはや30年近い昔の話となってしまいましたが、 それでも地球の歴史から見たら、ごくごく一瞬のはず。 こんな目に見えるような自然の変化があってよいはずはないと思うのですが。

暑い日が続いています。野菜をたくさん食べてどうぞ夏ばてされませんように。

2002年7月 4号
梅雨の晴れ間が蒸し暑い毎日ですね。なんだか年々暑くなるみたい。やっぱり地球は温暖化しているのでしょうか。この時期、植物の生長してゆく早さには目をみはるばかりだ。 稲はもともと東南アジアからやってきただけあって暑いのが大好きです。 田んぼ一面にとがった葉っぱを広げて、わさわさと風になびいている。今年は豊作かな。

約一坪に1本づつ植えたカボチャは親づるから子づる、子づるから孫づるが出てと、たちまちのび放題。 今や畑中びっしりとおおいつくしてしまい、地面はまったく見えない。 ほんとうは子づる3本くらいを残して、余計なつるを切ってしまうほうがよいのだが、もはや手のつけようがない。 野菜はよいとして問題は草だ。仕事の優先順位の都合上、どうしても後回しになってしまい、 悪循環のみてみぬふり状態。これから梅雨があけると、しばらくはあっちもこっちも草取りばかりです。

2002年7月 3号
7月は野菜の変わり目

梅雨らしく雨が続くこのごろです。半袖でOKの日もあれば肌寒い日もあり、まさに季節の変わり目。 うちでは先日3日間ほどストーブをたきました。 畑のほうも今、春の野菜から夏の野菜へと変わってゆく時期です。

ほうれん草や小松菜などの葉物類は暑いのが苦手。暑くなるのにつれ、おいしくなくなる。 寒くなればなるほど甘みが増す野菜です。 レタスやサニーレタスも夏の野菜というイメージがありますが、やはり暑いのは苦手。 あっという間に大きくなりすぎてしまいます。 それから雨も大嫌いですぐに傷んでしまい、梅雨どきは大変です。 反対に暑いのが大好きなのがナスやピーマン、葉物ではモロヘイヤやつるむらさきなど。 暑ければ暑いほど元気になります。ですから梅雨寒の日が続くと、ちっとも大きくなりません。

農薬を使わずに野菜を育てるには、それぞれの作物が好きな時期に合わせてあげるのがなにより大切です。 というより時期はずれにはちゃんと育ってくれません。 身体も同様に、暑い日が続くとむしょうにキュウリやナスが食べたくなります。

そして半年ぶりにまちにまって食べる初物って本当においしい。

2002年6月 2号
へそかぼちゃの話

去年の冬、ある人からかぼちゃを1個もらいました。「へそかぼちゃ」という名前の、先端がでべそのようにもりあがった変な形をしたものでしたが、食べてみると上品な甘みがありとてもおいしい。 流しの三角コーナーからタネをひろって洗い、乾かしてしまっておき、今年の春播いてみました。今、畑には数十株の「へそかぼちゃ」の苗が元気に育っています。果たしておいしいかぼちゃがとれるでしょうか。

野菜作りは1年ごとの仕事で、収穫してしまえばおしまい。果樹や林業のように長い時間をかけて育て上げてゆくものではないと思っていました。 でもこうして1個のかぼちゃから自分で取ったタネが何十倍にもなって育ってゆくのを見ると、野菜も毎年実を結びタネになり、姿を変えながらもえんえんと続いてゆく命のつながりなのだなと、人間や樹木と同じなのだと思います。

他のかぼちゃと受粉しないように気をつけて上手にタネがとれれば、また来年もさ来年もおいしいかぼちゃがとれるはず。 こうしてタネとりをつづけていると、その土地の気候に適応してゆきます。そして農薬や化学肥料を使わずに育てていると、だんだんに丈夫な性質になっていくそうです。 ほんとうに不思議ですね。ほそかわ農園でもこれからさらに「タネの自給率」を上げてゆこうと思っています。 「へそかぼちゃ」は9月にはとれるはずなので、うまくいけば皆さんにも食べていただけると思います。お楽しみに。

2002年6月 1号
6月は大忙し

遅霜がおりる心配間のなくなるこの時期、お百姓さんは忙しい。 ほそかわ農園もかなり忙しい。苗を植え付けたり、種を播いたりする仕事が集中するのです。 今やっとトマト、かぼちゃ、きゅうりを植え終えて、今度はナスやピーマンにとりかかるところです。 それからモロコシ、枝豆、キャベツやレタスの種まき。こういう野菜は、なるべく長い間収穫できるよう、10日から半月ごとに何回も種まきします。 1日1日がとっても短い今日このごろです。 今年もこのたよりを通じて、畑の様子、作る人だからこそわかる野菜の話などをお伝えできたらよいなと思っています。

かたくなに“むのうやく”というルールを守って作物を育てていると、自然からいろんなことを教えられます。 播いた種が100%育って野菜になると期待してはいけないこと。 自然の恵みと同時に、害虫や災害も受け入れなくてはなりません。 あまり欲張って働いてはいけないこと(ぎっくり腰になる)。そして食べることの大切さ。 泥のついた野菜を洗い、ととのえ、料理していただく。この毎日のめんどうな(たのしい?)行為がとても大切だということです。

2003年2004年2005年度版最新